相手を尊ぶ稽古を通して、自分自身を更に高めていく。
「強くなりたい」「体力を付けたい」「黒帯を取得して自分に自信を付けたい」「老化防止に」「以前から武道に興味があった」等、錬身会福岡道場で稽古に励む道場生が合気道を始めた理由は人それぞれです。
合気道にはスポーツのような勝敗はありません。稽古に於いても組手の様な稽古は行いません。指導者から指示があった技について、お互いが「仕手」と「受手」に分かれ、繰り返し技を掛け合っていく所謂「約束組手」の形式を取っています。
優劣を競い合わないことで、稽古相手を尊重する気持ちが生じ、自分だけでなく、相手の技術を高めようと思う気持ちが生じます。合気道では仕手と受手それぞれのレベルが上がることで結果として技術が向上していきます。自分の稽古相手の技術が向上することで、自分自身の技術も結果的に向上することになるのです。
時として苦しいと思える稽古に於いても、相手のことを思いやり、一生懸命やりきることで、終わった後には達成感が残り、それが結果として自分自身への満足感や明日への活力へ繋がっていくのです。合気道は身体だけでなく、心の鍛錬・リフレッシュにも非常に効果的なのです。
挨拶をする。返事をする。お礼をする。 技術だけでなく「当たり前の事」も高めていく。
合気道錬身会福岡道場では、4歳から小学6年生までを「少年部」として位置づけています。
少年部の稽古では、合気道の技術だけでなく、礼節や精神性についても稽古を行っています。
指導者から指摘があった時は「押忍!」と返事をする。教えてもらったときは「ありがとうございます!」とお礼を言う。稽古の始まりには「お願いします!」終わりには「ありがとうございました!」
当たり前の事の様に思えますが、入ったばかりの子供は意外と出来ない子が多いのです。
緊張のせいか、モジモジしてしまったり、経験が無いためか、自分が怒られていることに気が付かない、返事が出来ないなど、子供も人それぞれです。
でも、稽古を始めてしばらくすると、みんな等しくできるようになります。
指導者の指示で素早く移動できるようになる。きちんと正座をし、人の話を聞くようになる。
大きな声で返事をするようになる。動きが活発になる。その変化は大人がビックリするほどです。
錬身会照葉道場では、合気道の稽古を通して子供たちの人格形成、精神性の向上に寄与できるよう指導を行っています。
基本的な稽古方法について(一般部・少年部共通)
一般部・少年部共通の稽古方法について、ご紹介致します。
1.準備運動
稽古を始める前には入念に準備運動を行います。特に、関節の柔軟性(肩・腰・膝・首)については入念にストレッチを行います。
2.基本動作
準備運動が終わったら、錬身会合気道で最も重要視されている基本動作の稽古を行います。
基本動作は3つの動作(体の変更、臂力の養成、終末動作)の(一)と(二)、計6種類の動きについて稽古します。錬身会合気道の技のほとんどはこの基本動作の六種の動きに則っており、そのため基本動作を最重要視しています。
3.受身
合気道に於いても受身は重要です。仕手に投げられた際に正しい受身を取ることが出来なければ、後頭部を打つなどしてしまい危険です。そのため、受身を身に付けることは基本動作と同様、重要視されています。特に少年部では、基本的受身として「前方回転受身」「後方回転受身」をしっかりと身に付けるように指導致します。一般部も同様でありますが、50歳以上の高齢の方については、高度な受身は必須ではありません。
4.指定された技についての稽古
指導者から指摘された技について、基本的に二人一組で稽古を行っていきます。
稽古では、どちらかが「仕手(して)」「受手(うけて)」に分かれ、仕手が技を掛けていきます。
全ての技は必ず左右両方で行うようになっており、そのため、仕手は2回技を掛けることで受手と交代します。基本的な稽古はほとんどの場合でこの技の掛け合いが主となります。
5.掛かり稽古
主に自由技(仕手が臨機応変に自由に技を掛ける)を想定し、一人の仕手に対し、複数人の受手で稽古を行うものです。
1対多数で襲われた場合にどのようにして捌いていくか、防御をどう行っていくかなど、実践的な稽古となります。
級位・段位について
合気道錬身会では、年に4回昇級・昇段審査を行っています。審査は任意で受験することができます。審査を受けるには各級・段に応じた稽古参加時間が必要となります。
受験資格規定 | |
10-9級 | 36時間以上の稽古を有し、構え、基本動作を正しく実施できる者 36時間=24日(1日:1時間30分) |
8-6級 | 現級位取得後36時間以上の稽古を有し、構え、基本動作、指定の基本技法を正しく実施できる者 |
5-4級 | 現級位取得後36時間以上の稽古を有し、構え、基本動作相対、指定の基本技法を正しく実施できる者 |
3-1級 | 現級位取得後42時間以上の稽古を有し、指定の基本技法を正しく実施でき、一応の応用能力のある者 |
初段 | 1級取得後6ヶ月以上経過し、指定の基本技法を修得し、相当の威力を発揮できる者 |
弐段 | 初段取得後1年以上経過し、基本技法に習熟し、相当の応用能力を体得した者 |
参段 | 弐段取得後2年以上経過し、技術に習熟し、相当の応用能力と指導能力を備えた者 |
四段 | 参段取得後3年以上経過し、技術に練熟し、相当の応用能力と指導能力を備えた者 |
五段 | 四段取得後4年以上経過し、技術に熟達し、充分な応用能力と指導能力を備えた者 |
六段 | 五段取得後5年以上経過し、技術に熟達し、充分な応用能力と指導能力を備え、指導を行っている者 (実技審査のほか、合気道観、理念、倫理観などに関する論文を提出) |
七段 | 六段取得後6年以上経過し、技術に熟達し、充分な応用能力と指導能力を備え、指導を行っている |
八段以上 | 七段取得後7年以上経過し、技術に熟達し、充分な応用能力と指導能力を備え、指導を行っている者 |
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